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2011-8-1

用美社より「中島世津子 素描」発刊予定。

Setsuko Nakashima Damême(中島世津子)は1975年秋にパリに渡った。翌76年にエコール・デ・ボザール(国立美術大学)に入学。素描科と造形科で学び、十数年に亘るパリでの時間は彼女の天与の才を磨くに充分だったようだ。88年に帰国した彼女は、その後現在に至るまで、故郷三重県松阪で制作を続けている。

2011年春、彼女の友人の紹介で中島世津子を知り、パリでの画帖を見せていただいた。20代半ばに描いたパリでのデッサンやドローイングは、漂うような美しさを宿していた。ある人は、やわらかなまどろみの空間とも言った。1985年、野見山暁治の画を見て以降、約25年間を経て、僕は再び心に感じる素描を見た思いだった。

四分の一世紀という時間が短いか長いかはわからない。しかし、混乱と絶望に直面したこの年に、中島世津子の作品を知ったことは一筋の大きな光明であった、ということだけは確かだ。

(『葉山藝大 BOOK-01』より 岡田満)

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